共働きを続けるか、どちらかが仕事を変えるか。夫婦の答えが違う理由
子どもが生まれ、保育園に入り、小学校に上がるたびに「この働き方でいいのか」という問いが戻ってくる。その問いへの答えがふたりで違うとき、何を整理すればいいか。
2026-07-24

「子どもが生まれたら、仕事を辞めることも考えた方がいいかな」「いや、続けた方がいいと思うよ」——子育てと仕事の両立については、どちらが「正解」かというより、ふたりの答えが違うことで話し合いが迷走することがある。
「共働き継続か、どちらかが仕事を変えるか」という問いは、価値観・経済・キャリア・子どもへの影響が交差する、決して単純でない問題だ。
現状の選択肢と実態
共働き世帯の数は、専業主婦世帯を大きく上回っている状況が続いている。内閣府「男女共同参画白書」によると、共働き世帯は全体の7割以上を占めており、「共働きが標準」という環境になっている。
一方で、「共働きを続けることが必ずしも全ての家庭に合っているか」という問いはある。子どもの年齢・預け先の状況・どちらかの職場環境・収入バランス・子どもの状態によって、「今の形が合っているか」の答えは変わる。
「専業主婦(夫)になる」「どちらかが時短やパートに変える」「フリーランス・在宅勤務に変える」「転職する」——選択肢は二択より多い。
「続けたい」と「変えたい」の背景
働き方について夫婦の意見が割れるとき、その背後にある感覚がいくつかある。
「仕事を続けたい」という側には、経済的な安定への責任感、キャリアを中断することへの懸念、仕事が自分のアイデンティティの一部になっていること、長期的な収入・スキル・社会とのつながりを手放したくないことなどがある。
「変えたい(やめたい・減らしたい)」という側には、今の仕事量・通勤・拘束時間が子育てと現実的に合っていないという実感、子どもとの時間を大切にしたいという気持ち、どちらかが疲弊しすぎている状態への問題意識などがある。
「どちらかに押しつけられている」という感覚が生まれると、「変えたい」が「不満の表れ」として受け取られてしまうことがある。「変えたい理由」と「変えたくない理由」をそれぞれ具体的に出し合うことが、方針を話し合う前提になる。
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経済的な現実を具体的に確認する

「共働きをやめる・減らす」を検討するとき、避けて通れないのが家計への影響だ。
「やめた場合、今の生活費はどうなるか」を試算することは、感情的な議論より具体的な判断を可能にする。住宅ローン・保育料・教育費・老後の貯蓄——今の生活費の何がどの収入で賄われているかを把握していない状態では、「やめられるか」の判断ができない。
また、「今は辞められないが、将来的には変えたい」という段階的な計画も選択肢だ。子どもが特定の年齢になるまで、または特定の財務目標を達成するまで共働きを続けた後に変えるという計画なら、「今すぐ決める」ではなく「いつどう変えるかを計画する」という話し合いになる。
「どちらかが変える」ではなく「ふたりで変える」
働き方の議論が「どちらかが仕事を減らす・辞める」という方向になるとき、「なぜその一方が変えるのか」が自明になっていることがある。収入が低い方、またはキャリアへの執着が低い方——それが暗黙の前提になっていると、「なぜ私だけが」という感覚が生まれやすい。
「どちらが仕事を変えるか」より「ふたりでどう変えるか」という問い方に変えることで、「私だけの問題」でなく「ふたりの課題」として話せるようになる。
長時間働きすぎているなら、どちらかが辞めるより、ふたりともが少し減らすという選択もある。家事育児の分担を変えることで、どちらかの仕事を辞めなくても状況が改善できることもある。「辞める・続ける」の二択に見えている問題が、他の形で解決できる可能性がないかを探ることが、選択肢を広げる。