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夫が育休を取るかどうか、夫婦の意見が割れやすい構造がある

取得率が4割を超えた今も、「取れるかどうか」より「取るべきかどうか」で夫婦の認識が分かれることが多い。その背景には、育休への見方の根本的な違いがある。

2026-07-24

在宅で仕事する男性

「育休、取れそう?」と聞いても、「うーん、難しいかな」と返ってくる。または、「取るべきだと思う」と言っても「でも仕事が心配で」と話が進まない。あるいは逆に、夫が「取りたい」と言っているのに、「本当に大丈夫なの」と感じているケースもある。

夫の育休をめぐる夫婦のすれ違いは、「取る・取らない」という結論の問題より前に、育休をどう捉えているかの認識の差から来ていることが多い。

取得率が4割を超えた現実

厚生労働省「雇用均等基本調査」(2024年度)によると、男性の育児休業取得率は40.5%となり、過去最高を更新した。2022年10月の出生時育児休業(産後パパ育休)制度の創設以降、急速に数字が上がっている。

ただし、取得率の上昇は「取りやすくなった」という環境の変化を示す一方で、「取る期間の短さ」という課題も残る。取得する男性の多くが数日〜2週間未満の短期取得に集中しており、妻の産後の本格的なサポートという意味での育休と、「形式的に取得した」という数字とでは、意味が異なる場合がある。

「取れるか」と「取るべきか」の混同

夫の育休について夫婦で話が噛み合わない原因のひとつは、「取れるかどうか(環境の問題)」と「取るべきかどうか(価値観の問題)」が混ざって話されていることだ。

「職場が忙しいから難しい」「代わりがいない」という言葉は、環境の制約として述べられていることが多い。しかし、同じ職場環境でも育休を取る人と取らない人がいるとき、制約より「自分が取ることへの意識」の方が影響していることがある。

「本当は取りたいが職場への遠慮がある」という状態と「そもそも取る必要性をあまり感じていない」という状態は全く違うが、「難しいかな」という言葉では区別がつかない。どちらなのかを話し合うことが、夫婦で認識を揃える第一歩になる。


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育休に対する見方の差

話し合うカップル

夫の育休への見方が夫婦で異なる場合、いくつかのパターンがある。

「妻に任せておけば大丈夫だろう」という感覚がある場合、育休は「自分がいなくても回る場面に自分が入っていくこと」として捉えられやすい。産後の妻の状態——身体の回復、授乳の疲労、睡眠不足、精神的な不安定さ——がどういうものかを、生まれる前の段階でリアルに想像するのは難しい。

「育休を取ることで何かを失う」という不安がある場合、職場での評価や昇進機会への影響、同僚への迷惑という恐れが、意思決定に影響する。これは現実の制約である場合もあるが、「育休を取ったら評価が下がる」という思い込みが、実際より大きく機能していることもある。

「育休を取ることが自分のキャリアにとってもプラスになる」という感覚が薄い場合、取ることのメリットより取らないことのコスト(妻の負担、夫婦関係の変化)を見えにくくする。

「産後の現実」を共有しておく

育休の議論が「取る・取らない」になる前に、「産後にどういう状態になるか」をふたりで具体的に話しておくことが有効だ。

出産後の数週間は、母体の回復と新生児のケアが同時に求められる期間だ。授乳は数時間おきに続く。睡眠は細切れになる。体の回復が追いつかない中で家事もある。里帰り出産をするかしないか、実家の親がどの程度サポートできるかによっても状況は変わる。

「誰かがサポートしなければ回らない」という具体的なイメージをふたりで共有した上で、「その期間を夫がいる状態で乗り越えるか、いない状態で乗り越えるか」という問いにすると、「取るべきかどうか」という抽象的な議論より、現実的に判断しやすくなる。

育休の長さについても、「取るか取らないか」ではなく「何週間取れるか」という量の話として進めると、双方が現実の範囲で調整しやすい。「1週間が難しければ2週間にできるか」「2週間が無理でも10日は可能か」——こうした調整が、「取らない」より「短くても取る」という選択につながることがある。

取ることを決めたなら、育休中にどんな役割を担うかを事前に話しておくことで、「いるけど何もしない」という事態を防げる。育休は「休む」ための制度ではなく、育児に専念するための制度だという認識をふたりで共有しておくことが、育休期間を機能させる前提になる。

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