バイリンガルに育てたい。でも夫婦で「どこまでやるか」の温度が全然違う
英語への投資は早期英語教室からインターナショナルスクールまで幅が広い。「どこまでやるか」で割れるのは、英語の重要性より将来のキャリア・教育への見方の差だ。
2026-07-24

「英語ができないと将来困るから、インターナショナルスクールも視野に入れたい」「でも普通の学校で英語を頑張ればいいんじゃないか」——英語教育の方針について、どこまで投資するかで夫婦の意見が分かれることがある。
「英語が大事」という認識はふたりともあっても、「どれほど大事か」「どの手段が適切か」「コストをどう考えるか」になると、全く違う話になることがある。
英語力と将来の選択肢
グローバルな仕事環境において英語が有利に働くことは多くの場面で事実だ。英語を使える人材の需要は様々な産業で高まっており、英語での情報へのアクセス・海外との協働という観点でも、英語能力が将来の選択肢を広げることは確かだ。
一方で、「英語ができること」と「バイリンガルに育てること」は別の問題だ。日本語を母語として育ちながら、学校教育・英語塾・英会話教室などを通じて英語能力を積み上げていくアプローチと、家庭内での日常会話に英語を取り入れたり、英語イマージョン教育や英語圏の学校に通わせたりするアプローチでは、子どもへの影響・コスト・生活への影響が全く違う。
「英語が大事」という合意があっても、「どの手段で、どこまでやるか」は夫婦で全く異なる答えを持つことがある。
どこで意見が割れるか
インターナショナルスクールや本格的な英語イマージョン教育への熱量が高い側には、いくつかのパターンがある。
自分自身が英語で苦労した経験があり、子どもには早い段階でネイティブに近い英語力を持たせたい。グローバルな仕事・海外での生活・留学などを子どもに将来経験させたいという明確なビジョンがある。英語圏に出身者がいる、または自分が英語環境で働いていて、その必要性を身近に感じている。
「通常の学校教育で十分」という立場には、こういうパターンがある。日本語をしっかり習得することが先だという考え方がある。コスト(インターナショナルスクールの学費は年間数百万円台になることもある)への現実的な判断がある。「バイリンガルに育てることが子ども本人の意志と合っているか」への疑問がある。
このテーマ、夫婦で話せていますか? 「ふたりごとに」では「子どもの英語・海外教育、ふたりの考えを確認する」をテーマにした対話カードを提供しています。
コストの問題を先に整理する

バイリンガル育児をめぐる議論が具体的になるとき、避けられないのがコストの話だ。
インターナショナルスクールの学費は、幼稚園・小学校段階でも年間100〜200万円以上になることが多く、高校まで通わせると総額で数千万円規模になる場合もある。英語イマージョンの認可保育園・学校(国際バカロレア校など)は選択肢が限られる地域も多い。英語塾・英会話教室のレベルでも、週複数回・良質な環境となると年間数十万円の支出になる。
「英語教育に投資したい」という思いがあっても、それが他の教育費・貯蓄・生活費とのバランスでどう位置づけられるかを話し合わないと、「やりたい気持ち」と「現実の家計」の間に大きなギャップが生まれる。
「どこまでやりたいか」の議論をする前に、「家計的に何が現実的か」を確認することが、実現可能な方針決定の前提になる。
子どもの意志をどのタイミングで入れるか
バイリンガル育児の難しさのひとつは、子どもが小さいうちは本人の意志を十分に確認できないことだ。
幼い頃から英語イマージョン環境に置くことで英語能力は育ちやすいが、それが「この子が望んでいたこと」かどうかは、後になって初めてわかることがある。英語を使うことへの親の強い期待が、子どもにとって「楽しい体験」ではなく「やらなければいけないこと」になっていく場合もある。
ある程度の年齢(小学校低学年以降)になったら、子ども自身に「英語、好き?」「もっとやりたい?」を定期的に確認することが有効だ。本人が面白がっているなら継続や強化を検討できる。苦痛になっているなら、方法や量を見直す判断材料になる。
「子どものために」と決めた方針も、子どもが育っていく中で定期的に見直すことが、押しつけでない英語教育につながる。